20年の月日を経て感じた「変革のスピード」

初めまして。
セカラボの平田尚志です。

私は大学卒業後、37年間日本の広告会社に勤務しておりました。
その後、出版社の常勤監査役の職を経て、現在はセカラボでお客様の海外進出支援のサポートをしております。

今回は、
・私の東/東南アジアの体験
・データの落とし穴
・進出地域における肌感覚による補正
についてお話しします。

私が初めて中国、香港、東南アジアの地を訪れたのは1995年のことでした。
外務省の外郭団体が主催する海外研修に参加し、1ケ月間で7つの国を訪問しました。

それから約20年後の2013年、広告会社勤務時代にタイ駐在の機会に恵まれ、バンコクを拠点にインドネシア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ミャンマー、中国での広告ビジネス(主にメディア領域やコンテンツ領域)に従事しました。

1995年の海外研修での雑感が報告書に残っていましたのでここに引用いたします。
「灼熱の東南アジアー経済発展を遂げる姿の中に垣間見えた富と貧困、希望と絶望、活気と虚脱、笑顔と悲愁―現実と幻想の世界に旅愁も深まる」

そして、20年後に訪れた彼の地は更なる経済発展を遂げ、多くの日本企業が東・東南アジアに進出し、経済発展に貢献してきた結果、21世紀のボーダレス世界、グローバル経済の象徴とも言うべきメガリージョンが形成され、人々の暮らしは飛躍的に改善されてきました。

メガリージョンとは大都市とその周辺都市で構成される新しい経済活動単位(地域)です。
ここには世界中からヒト、モノ、カネ、企業、そして情報が集積されていきます。
これらの地域では日本が数十年かけて築き上げてきたデジタル社会もほんの数年で肩を並べる環境が整備されました。

まさに、私がバンコクに駐在している期間にこの「変革のスピード」を体感したわけです。
しかし、それに取り残された貧困層が消え去ることもなく、格差はむしろ広がってしまったという印象でした。

この貧困層の存在こそ、今後のアジアの成長を考えていく上では看過することはできません。
学校で習った「人口ピラミッド」を思い浮かべてください。
学校では正三角形で人口分布が表されている国は将来大きく成長する可能性があると学びました。
一方で、壺形で表される国はのちの高齢化社会等による影響で経済が行き詰まるといったようなことも教わりました。

生産年齢人口(15〜64歳)に対する従属人口(14歳以下と65歳以上の人口合計)の比率が低下すると、豊富な労働力を背景に個人消費が活発になることに加え、高齢者が少なければ社会保障費用等が抑制されるため、経済が拡大しやすくなるという考え方です。(人口ボーナス)

確かに、日本のように教育水準や生活者の消費力が一定レベルで保たれているような国はこの考え方が当てはまるのかもしれません。(その日本も加速度的な少子高齢化により肩車の担ぎ手である生産年齢人口が減り、肩車に乗る従属人口が増えたため、皆が疲弊してしまっているというのが実感ですね)

さて、私が駐在していたタイをはじめとする東南アジアの国々はどうでしょうか。
一部の国は少子高齢化に向かいつつありますが、多くの国が日本に比べ、平均年齢も若く人口ピラミッドも三角形を示している国が多くあります。

しかし、駐在中に気づいたのですが、この人口ピラミッドには落とし穴がありました。
東南アジアの国々には、財閥、軍閥、王族をはじめとする絶対的利権を有する富裕層が存在します。
ただし、これらの階層に属する人はほんの一握りです。人口ピラミッド上に表すとすれば中心に一直線に伸びる細い線です。

そして、初めて東/東南アジア諸国を訪問した1995年から確実に増えた層が中間層です。
これらの階層は人口ピラミッド上の富裕層を取り囲む縦長の長方形で表すことができます。
しかし、どの国も未だ人口の多くを占めているのは貧困層、もっと言うならば脱出の糸口も掴めない「絶対的貧困層」です。

人口ピラミッドから富裕層、中間層を除いたかなりの面積を占める人々です。
メガリージョンとは彼らを置き去りにして目覚しい成長を遂げた地域、これが現実であり私が肌で感じたことです。

国連が提唱するSDGsは誰も置き去りにしないという理念のもと、貧困、飢餓、衛生、教育等への改善目標が掲げられていますが、持続的な取り組みによって貧困層の生活環境が改善され、所得も向上すれば、これらの国々の成長ポテンシャルは学校で習ったような水準に達するのかもしれません。

ただし、それには多くの時間とカネ、知恵を投入いく必要がありますが…。

何にしても、こうした国々への進出を計画される際には、しっかりとした事業計画、入念な情報収集とともに、生活者の実情を肌感覚で吸収し、それを計画に反映していくことが大切です。

海外出張も徐々に増えてきている中、出張前のアポ取得や簡易市場調査といったお手伝いができますので、何かご質問、不明点があればお気軽お問合せください。

セカラボは、各国各分野の専門家(Global CxO Partners)と海外進出を支援する会社です。

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上記のサービスをもとに、海外進出の総合支援を行います。

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